次は22番目の駅・田端。

　強風に吹き飛ばされそうになりながら歩く。寿司チェックシートが、イデファイルが、桜が、風に舞う。

　そういえば、今年は花見をしそこなった…。

　ここでもイデファイルに従って進んだ。

　田端の『平禄寿司』はチェーン店ながら独自の進化を遂げたらしく、オーソドックスなメニュー以外に、手書きで壁に貼られたオリジナルメニューが充実していた。

　マタ『アイディアいっぱい』、皇帝『なかなかグー（味）』とそろって好印象の良店。スタッフが揃って明るく元気なのもよかった。

　ここでひとつ賭けを持ちかける。『次の店、店内にいるスタッフは全員で何人いるか？』正解者には『その店で一番高いネタ』をプレゼント。おれ予想・7人、マタ5人、皇帝6人だが、さて正解者は？

　『廻る車すし』は駅前すぐの比較的小さな店舗。やばい。慎重に店員を数えると…6人だ。ごはん皇帝、正解〜！

　皇帝のメモに残る『メチャメチャおいしかったです』がくやしい。ま、『一番高い』といっても300円なんだが。

　日が暮れて来た18：00、巣鴨に到着。駒込に続いてここでも『廻る車すし』を発見、席につく。

　ここまで何度も品切れで「ください」「ありません」を繰り返してきたイワシを、マタコラン、ようやく食べることに成功。

　皇帝のコメントには『駒込よりやや劣る』って、それはおまえ、駒込では高いネタ食ったからじゃないのか？

　陽も落ちて、そろそろ『晩ごはん』の時間帯に入る。有名店は混み合ってくるか？

　『平禄寿司』では好物のウニを食べる。うん。悪くない。マタコランも「ほっと一息」、皇帝も「うに、うまし」と評価はまずまずだ。「アイスたべたかった…」というコメントも気にはなるけれど。

　ここ池袋でマタが「行きたい」と言っていた店『若貴』は、あまりの人の多さ、行列の長さに断念した。残り数駅ではあるが、ここでの時間の浪費はちょっとこわい。

　仕方なく、といってはなんだが『天下寿司』に流れる。しかしちょうど夕飯時でもあり、結局ここでも待つことに。

　『天下』は安心して入れる店。3人とも、味には文句なし。ただし店員（○村くん。一応伏字にしておきます）の接客態度にまったくやる気が感じられなかった。少し気になった。

　目黒で、店内混雑のためあきらめた『海鮮三崎港』。ここでも混んではいたが他に寿司屋もみあたらないので待つことに。

　さすが有名店。値段は若干高めだが、店の雰囲気は良い。おれとマタはわりと普通のネタをチョイス。うん。なかなか美味しい。一皿だけで店を出るのは名残惜しいが…まあ今回はそういう企画だし、我慢する。

『いちごと白米、のり、練乳の相しょうはバツグン
　あなたも１度ためしてみては？』（皇帝のメモより）

　名付けてイチゴ軍艦。
　海苔の香ばしさとイチゴの甘さが同居するイチゴ軍艦。
　海苔のパリパリ感と練乳のネットリ感が同居するイチゴ軍艦。

　寿司屋はすぐに見つかったんだが、思ったより時間に余裕があったので少し近所を散策することにした。これが結果的には大失敗で、迷いこんだ先には場所柄、焼肉屋ばかり。ソースだとかタレだとかが鼻腔をくすぐり、泣きそうになった。

　最後の最後で第4の男・イデが合流した。「イデファイル」、のイデは仕事明けに駆け付けたのである。4人で『台所家』に入店すると、イデが勢いで「ここはオレがおごるぜ」などとカッコつけたため、遠慮せずにしこたま食べることに。

　味はまずまず。さらにスタッフもみなさん元気で、職人さんとお運びの会話の掛け合いがなかなか愉快で楽しめた。ただ彼らは喋りに夢中になり過ぎ、皇帝に『オーダー忘れ多し』というメモを残される。

　午前10時に新宿をスタートして山手線を一周、終わってみると新大久保にて午後10時だ。まる半日がかりで29駅を食べ続け・食べ尽くした3人。さてこのあとは…。

　ビール呑みに行くに決まってんだろ！